建物はコンクリートの瓦礫と化した

2011.10.21

43号線へむかうことにした。国道2号線のむこう側には、阪神高速道路がある。無残にも、地震で橋ゲタが落下しているらしい。そこの現状を調べれば、断層が動いた方向を推測できるかもしれない。私は地質学者ではないが、現状をみれば断層が動いた方向を推測することはできる。いったいどの方向からどんな力が加わったのか。それを知ることは、これからおこなう調査におおいに役立つだろう。途中の甲子園口駅南口商店街の状況も、散々たるものだった。

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約半数の建物は全壊し、その残骸が歩道を越えて、雪崩のように押し寄せて車道をふさいでいる。倒れかかった電柱がならび、引きちぎられた電線が垂れ下がっている。ここもやはり人影はすくなく、ときおり通る人たちの顔には疲労が見える。大阪方面に買い出しにいった帰りだろうか、みな一様にリュックサックを背負っており、両手いっぱいに荷物を抱えている。店先のところどころには、「避難所にいます」「全員無事です」と書かれた紙が貼られていた。貼り紙には、避難先の場所や電話番号なども書かれている。離れ離れになった家族や従業員にあてて、安否を知らせる内容である。震災から1週間たっても、一般の電話は完全に復旧していなかった。いまだに不通のところが多く、おたがいに連絡を取り合うためには、ほかに手段がないのだろう。公衆電話も順番待ちで長い列ができ、いつになったら順番が回ってくるのかさえ見当がつかない。商店街から一本道をそれると、状況はさらにひどいものになった。崩れた家屋が完全に道をふさぎ、あちらこちらで家屋の残骸が山を作っている。先へ進もうにも、道がみえない。積み重なった一つ一つの瓦牒の山を踏み越えていかなければならなかった。衣類や日用品の残骸も、泥だらけで散らばっている。クルマが倒壊した車庫の下敷きになって押しつぶされている。半分傾きかけたマンションの壁には、こんな貼り紙もみえる。「倒壊注意!」「タイル落下の危険あり!」見上げると、半分はがれかけたタイルが、いまにも落ちてきそうである。ノリの浮いた紙のように、壁の表面が浮き上がり、あちこちに亀裂が生じている。タイル落下の危険性は、以前から指摘されてきたことだ。だが、いたるところのマンションやビルでタイルがはがれ、落下している。これは、その危険性を軽視して、タイルのための対策を怠っていたか、もしくはその対策がまったく無視されてきたかのどちらかだろう。





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