設計士と話をするに当っては、施工図は不可欠です。誰でもそうだと思うのです。自分が自信もって制作した設計図に対して、「この設計だと施工はできません」とか、「この設計だと手間がかかるだけで何の意味があるのですか」とか、この材料は手に入りません」とか。そうしますと「この施工会社はやる気がないのか」と誤解され、以後何を言っても聞き入れてくれなくなってしまいます。工事担当者は毛頭やる気がないなどと思われることは心外です。ダメです。言葉は難しい、などと言っていては…。これは話し方の問題ではないのです。「あなたがそこまで言うのであれば、対案はありますか。」「いや、そのつもりではないのです。私の言いたかったことは、職人の手間がかかるとコストが上がって大変なんです。ですから、手間のかからない方法があればと思い、先生に相談したかっただけです。」「あなたの会社は契約したのでしょう。できないのなら違約金を払って、解約したらどうですか。」こうなっては喧嘩状態です。設計士も工事担当者も技術者同士です。しかも設計士にとって設計図は命です。そうしますと他の人の図面はとても興味があります。施工の面から自分の設計がどうなるのか不安もありますが、それよりも興味津々です。彼らは技術者同士として図面で話をしたいのです。そのためにも、設計士と施工方法の話をする場合は、必ず施工図を置いて話をして下さい。昨今、工事管理に若い担当者を付ける会社が多くなりました。若い担当者は施工経験が少ないために、なかなかコストパフォーマンスができないようです。そのような担当者です。どこの会社は職人任せの技術力のない会社と考え、いろいろ無理難題を指示してきて、結果的に赤字工事になってしまうものです。よく建設業界では、「設計士の介在する工事は稼げない」、と言います。「それは違う」、と私は断言できます。設計士の方々は、純粋無垢な技術者なのです。施工会社が出してくる施工図にどんなアイデアがあるのか、知りたがっています。だから、設計士と施工に関する話はぜひ施工図を置いて話をして下さい。
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