今回私が目を付けた物件は、倒産した持ち主が社員用の保養施設として持っていた物件のようである。ここまでわかったら、必要な部分をメモに取り、必ず現地に行ってみる。執行官のレポ−トは、過去のある時点のレポートに過ぎないからだ。マンションの管理人に、その部屋の話を聞いてみる。最近何年も誰一人来ていないという話だ。フムフムとメモを取る。聞き込みをするのは、もしも怪しい人間が賃借権を主張した時に、裁判所で相手の主張を否定するための下準備、という意味がある。
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その物件に、法律に従わない人間が絡んでいないかどうかということを知っておくことは、とても大切なことなのだ。競売物件を買う、買わないでいちばん大切なのは、この聞き込みだと思う。都心部のマンションを買うなら、近隣の住人や、近所の商店などにまで話を聞いておく方が良い。その労力が、のちのち数百倍になって返ってくるかも知れないからだ。かつ了幸者は弁護士に頼まれて、ウザったい人間が占有している物件を落札したことがある。実はそのウザい人間の隣家の人が本当の買い主だったのだが、まさか隣家が買い主だと知れたなら、どんな嫌がらせをされるかも知れない。だからこそ、私がダミーになって買うことになったのだ。