末路は、3種類しかない

2011.09.30

高額所得層や東京の富裕層は、むしろ都心を避け、近いところでは田園調布、遠いところでは鎌倉などの高級住宅街から通勤していました。85年というのは、有名なプラザ合意(=ニューヨークのプラザホテルにおける国際的な経済会議)が行われた年で、日米間で円高ドル安への誘導が始まった年です。公定歩合が引き下げられたため、国内市場には潤沢な資金が溢れ出して地価も上がり始めました。その後、急激な円高が始まり、国内の工場が海外へ進出するようになり、同時に排気ガスや環境基準の規制が徐々に厳しくなりました。そして、ついにバブルが崩壊し、地価も下がり、ふと気がつくと「都心は意外に住みやすいのではないか」という気運が高まってきたのです。郊外に逃げていた人口が都心に戻り始め、都心回帰という現象が始まったのがこの頃です。職住近接という用語が頻繁に使われるようになったのも、まさに、この頃なのです。また同時に、バブル崩壊によるリストラなどで、ニュータウンに入居した世代(=団塊世代)の受難も始まりました。教育格差の問題も顕在化してきました。ますます街の格差が明確になってきたのです。都市化の潮流のベクトルが逆向きに変わり始めたのは、90年代後半からです。完全に向きが変わったのは、2000年になってからでしょう。地方都市でも、中心市街地のシャッター通り化などが問題になり始めました。明治維新から続いてきた工業化社会による近代化というキーワードとともに栄えてきた街の未来が、ここに来て、ようやく見えてきたのです。結局、その末路は、3種類しかありませんでした。一つ目は「これからも成熟を続ける街」、二つ目は「現状を維持できる(サスティナブルな)街」、三つ目は「衰退し続ける街」。全国各地のすべての街は、この三つの末路のうちの、どれかに振り分けられていくようになりました。

[参考サイト]
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