Dさんの両親や友人が共通して挙げているのは、シェアメイトと「仲悪く」なってしまうことへの懸念である。同居すれば、さまざまな局面で感覚や意識の違いから対立が生じ、それが互いの関係を悪化させるのが当然と信じて疑わないかにみえる。だとすれば、夫婦や恋人であっても、一緒に住むことによる関係の悪化が懸念されてもいいはずだ。これから一緒に住もうと思っているカップルや夫婦に対して、せっかく仲が良いのに、一緒に住んで大丈夫かと聞かないのはなぜだろうか。
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なぜ友人と住むことだけがとりたてて心配されるのだろうか。ここには、家族と他人をめぐる重大な問題が潜んでいるようにみえる。もちろん、結婚すれば一緒に住んで子どもをもうけ、協力して育てていくことが自明なものと考えられていることもあるだろう。男性が稼ぎ女性が専業主婦である場合には、同居は経済的にも必要であるだろう。しかし、生活を共同することによるさまざまな対立やトラブルは、夫婦であっても友人であっても生じない方が不思議であるし、現にあらゆる場所で生じているはずである。にもかかわらず、日本の住宅構造の背後にも、周囲のシェアへの無理解の背後にも、「夫婦は愛情があれば対立は起こらないはず」「血のつながった家族であれば問題は解決できるはず」という想定がなされているようにみえる。